箱では写真や映像の撮影のためにスペースをお貸ししています。(2020,4,25現在はコロナの影響でお休み中)
2月のとある日、箱での撮影の依頼がありました。
依頼していただきましたのは1988年より続く京橋の画廊「加島美術」さん。
画廊のカタログに掲載する竹久夢二の絵を箱で撮影したいとの事でした。
竹久夢二の絵は大好きでしたのでとても嬉しく楽しみにしていたのですが、
下見にいらした担当の方からの連絡で画家が変わるとの事。
当時はちょっと残念に思っていたのですが、実際に持って来ていただいた絵を見て納得。
ほっこりとしていて、それでいてモダンであり箱の空間にとても良くあっています。
こちらは猪熊弦一郎さんの作品。
米国時代の希少な作品だそう。
不思議です、真っ白い漆喰の壁。
絵という装飾品があるにも関わらず、ない時よりもより『静寂』を感じるのです。空間がより「空間」になるのです。
箱のスペースは、来る人各々に寄り添える様なるべくプレーンな状態にしておきたいので、絵などの装飾品は極力控えて参りました。
だけどもそうでもないみたいですね。
それは猪熊さんの絵だからこそなのかもしれません。
この絵、気に入られましたか?
購入できますよ、チロルチョコ20万個分(10円/1コとする)です!如何でしょう?
<以下カタログより引用>
猪熊弦一郎
少女と猫
キャンバス10号 油彩 額装
52x44cm/71x64cm
三匹の猫を抱いて素朴な笑みを浮かべる一人の少女。
猫は猪熊にとって生涯の画題であり、十数匹の猫に囲まれて暮らしたとういう逸話も残る。
本作は色彩と具象を離れて抽象の実験に明け暮れた渡米後すぐ、昭和28年の作品である。常に新たな作風に挑んだ米国時代の作品は、一つ一つが猪熊の画業の希少な足跡といえよう。丸い顔と直線的な背景の幾何学的な秩序と、思い思いに足を伸ばす猫たちのしなやかな曲線の躍動。その静と動の豊かな均衡には、やがて異質なもの同士の調和として猪熊が自らの絵の原理のひとつへと昇華させた美が、色彩を抑えた端正な画面の中に見事に早咲きしている。